人気ブログランキング |

根上さんとのセッション その5

 根上さん宅につくと、今日は出かけるのでついてこいという話になった。

 根上さんは、以前は都内に住んでいたが、今は埼玉にいてもう東京にはあまり出ないということだった。

 その理由を根上さんは、「俺が東京に出ると3000人の警官が動くからなあ」と話していたが、相変わらず大げさなこというなあともちろん聞き流した。

 僕の運転で、根上さん宅を出発した。

 途中、交差点が赤信号になったので止まろうとすると、何やってんだ、行け!と根上さんが言った。

 赤信号です、危ないですよと言うと、いいから行け、と言う。

 そのうち白バイが止まっている交差点に差し掛かった。

 いくらなんでもここで行けとは言わないだろうと思っていたら、ここでも行けと言う。

 しかもここで行かなくてどうする!ぐらいの勢いだ。

 もちろん止まったが、さすがに聞いた。

 「あれで行ったら捕まりますよ。」

 「道交法で、緊急のときの違反は認められている。」

 「緊急って、なんの緊急ですか?」

 「歯医者だ。」

 「...」

 そうしてまた車を走らせた。

 (一応説明しておくと、根上さんは僕がどこまでアホなのかを試していたんだと思う。僕がもし本当に捕まったら、脅してそうさせたとでも言うつもりだったんだろう。)

 環八(笹目通り)に土支田という交差点がある。

 そこで信号待ちをしていると、右翼の街宣車が軍歌を大音量で鳴らしながら前方で停車していた。

 「おい、のぶ、車そこに止めて待ってろ。」

 (はじまった..)

 そういうと、根上さんは真ん中の車線の先頭で停車している街宣車に向かって走り出した。

 遠目に見ると、根上さんは窓を開けさせて運転手に向かって何か話しているのが見える。

 そのうち、信号が青になった。

 しかし街宣車は、根上さんと話したまま出発しない。

 止まっている車が右翼の街宣車だからか、誰もクラクションを鳴らそうとしない。

 まるで事故を起こした車をよけるかのように、1台づつ譲り合いながら街宣車の両脇をそろそろと車が流れていく。(交番が目の前にあるのに、警官は出てこようともしなかった)

 少しして街宣車は発進し、根上さんは走って戻ってきて言った。

 「のぶ、追え!」

 「は?」

 「いいから追え!」

 それから少しの間街宣車を追いかけさせられ、根上さんの「もういい、曲がれ」の声で追跡は終わった。

 緊張から解放されて、ようやく尋ねる余裕ができた。

 「根上さん、さっきは何を話してたんですか?」

 「ん?いや、鈴木宗男が捕まって大丈夫かって聞いてたんだ。大丈夫だって言ってたよ。」


(つづく)
by tenpapa2013 | 2015-11-09 17:59 | 根上 隆 | Comments(0)