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根上さんとのセッション その9

 区役所へ向かいながら、どうすれば役所の人に事の意味を伝えられるかを考えた。

 根上さんは、いざとなったら(ある意味普段でもだが)ヤクザ、警察、国会議員、何でもこいの人だ。

 それだけパワフルな人がもし区長になったら...

 サボりがちな職員さんは問題ない。ただ仕事をやるしかなくなるだけのことだ。

 問題は、ズルをしていたり嘘や隠し事のある人たちだ。

 根上さんの前で、嘘や隠し事は100%通用しない。

 やったことを正直に改めることのできる人はいいが、もしそれができず姑息に手を打とうなどと考えた時は、僕が体験したような恐怖を体験することになる。

 場合によっては、自殺者が出るかもしれない。

 「自殺者...そうか、この線で行こう。」

 区役所へ着いて、前回の根上さんと同じようにまず9階の選挙管理事務所へ向かった。

 応対してくれた職員さんにまず、今度区長選に立候補する根上の秘書だと伝え次のように話した。

 「私はインターネットの扱いに多少の知識があるので、ネットを駆使して根上が得そうな票の状況を調べたら、なんと私たちが思うよりかなり多くの票が彼に入る見込みがあることがわかりました。これは彼の地道な活動に加えて、彼を絶賛する情報がネットを通じて驚くべき速さで伝達、拡散されていることが原因のようです。」

 「で、それでなんですか?(すでに少し迷惑そう)」

 「根上は、区長になったら区長机を正面玄関前に置くと言っています。そこで全ての人の話を聞いて役所機構を変革していこうと思ってるようですが、あの根上がそんなことをしたら役所はどうなるかおわかりですか?」

 「(もう早く帰ってくれって感じで)わかりません。何が言いたいんですか?」

 「率直に言います。もし根上が区長になったら必ず自殺者が出ます。」

 「そんなこと言われても..」

 「今日はそのお願いにきました。私は彼の政治姿勢には間違いはないと思っていますが、何しろ先進的すぎるのです。もしあと4年、いや8年あれば時代も変わって、みなさんにも彼を受け入れようという空気が生まれるかもしれません。でも今はどう考えても無理でしょう。秘書の私が、自分の師事する者の立候補を取り下げるお願いをみなさんに頼むのはまことにおかしな話なのですが、でも今はこれが最善の方法なのです。お願いです。みなさんの声を揃えて、自分たちに準備ができるまで彼に立候補を待ってほしいとお願いをしてほしいのです。」

 「そ、そんなことできるわけないでしょう」

 「でもそうしないと、あなたの同僚からも自殺者が出るかもしれないんですよ。」

 「そんなことないですって。」

 「いやあります。彼が区長になったら、全ての不正は間違いなく許されなくなります。」

 「でもここは選挙管理事務所です。私たちは立候補を受け付けるのが仕事で、それ以外のことに口を出す権利はありません。」

 「そこをお願いしているのです。これは私の電話番号です。明日の12時までにここに電話を下さい。もしお電話を頂ければ、根上には私から直接話します。」

 「だから無理ですって!」

 「お願いします!」

 このやりとりを、先日の根上さんのように、出会う職員さんたち全てに対してやった。

 役所を出たら、もう夜の7時だった。

 僕は、一旦自宅に戻り、翌日の電話を待つことにした。

(つづく)
by tenpapa2013 | 2015-11-09 18:05 | 根上 隆 | Comments(0)